展示室内の照明はなぜ暗いのですか?

公共施設まっぷ
  1. 展示室内の照明はなぜ暗いのですか?
2015年06月26日

展示室内の照明はなぜ暗いのですか?

紙に描かれたデッサン、水彩などは、西洋の美術作品の中でも最も光による劣化の影響を受けやすいもので、古い作品の展示ほど展示室内の照明が暗くなる傾向にあります。

展示室内の照明はなぜ暗いのですか?

美術作品を劣化させる熱や光

美術館を訪れた際に、展示室内の照明が暗いことが気になったっという経験をお持ちの方も多いでしょう。美術館で展示されている美術作品は、熱や光が当たることで色が褪せたり、薄くなったりする恐れがあります。こうしたことを防ぐために、展示室内の照明には紫外線や熱線を遮断するフィルターを取り付けると同時に、美術作品の素材や性質に応じて光の量を調節しています。
特に、海外から借りる美術作品の場合には、温度、湿度、展示方法などについて細かい条件が提示されることが多く、照明については照度だけでなく、紫外線量や照明の当て方などについても指示があることが少なくありません。特に、紙に描かれたデッサン、水彩などは、西洋の美術作品の中でも最も光による劣化の影響を受けやすいもので、古い作品の展示ほど展示室内の照明が暗くなる傾向にあります。

敏感なものとそうでないもの

展示室内の照明による光に非常に敏感なものには、織物、衣装、水彩画、つづれ織、印刷や素描、切手、写本、泥絵具により描かれたもの、壁紙、染色皮革などがあります。比較的敏感なものには、油絵、テンペラ絵(卵黄や蜂蜜、にかわなどを混ぜた不透明な絵具で描かれた絵)、天然皮革、象牙、木製品、漆器などがあります。
また、敏感でないものには、金属、石、ガラス、陶磁器、ステンドグラス、宝石などがあります。美術館では、照明だけでなく、温度や湿度の管理も美術作品の保存にとって最もよい状態となるように行なっています。こうしたことを心に留めて、足元などには十分に気を付けて鑑賞を楽しみたいものです。