破損、盗難などに備える美術品の国家補償制度とは

公共施設まっぷ
  1. 破損、盗難などに備える美術品の国家補償制度とは
2015年06月12日

破損、盗難などに備える美術品の国家補償制度とは

外国の施設などから美術品などを借り受ける場合、破損、盗難などの万が一の事故などに備えて保険に加入するのは一般的なことです。

破損、盗難などに備える美術品の国家補償制度とは

高騰する保険料

博物館、美術館などで行なわれる展覧会のために、外国の施設などから美術品などを借り受ける場合、破損、盗難などの万が一の事故などに備えて保険に加入するのは一般的なことです。
展覧会を主催する美術館、新聞社などは、借用した美術品の総評価額に保険料率を乗じた保険料を損害保険会社に支払っていましたが、国際的なテロや大規模な災害などの発生により、保険料の金額が高騰しました。場合によっては1億円以上にもなる保険料は、展覧会の開催を断念させたり、その規模を縮小させることに繋がってしまうため、質の高い展覧会の開催が難しくなってしまいます。

国民が優れた展覧会を鑑賞できるように

欧米の主要国には、美術作品などに対して国が一定の損害を補償する国家補償制度があり、この制度により国民が優れた展覧会を鑑賞できる機会を持つことができ、展覧会の主催者の負担も軽減されています。こうした制度を最初に導入したのはアメリカ合衆国で、その後、ヨーロッパの主要国のほとんどが導入しましたが、日本とロシアでは導入されていませんでした。
しかし、日本でも、2011年(平成23年)に美術品の国家補償制度である「展覧会における美術品損害の補償に関する法律」が施行されることとなりました。この制度の仕組みは、3点から成っています。

●展覧会のために海外から借用した美術品に損害が生じた場合にはその損害を政府が補償する

●政府が補償する額は一定額を超えて一定額までとなっており、その他に必要となる額は主催者が負担する

●政府による補償の対象となるには、開催する施設、主催者の実績、展覧会の内容などに一定の条件が設けられており、文化庁の文化審議会により審査される